12/20/2008

クリスマスケーキを巡る旅

クリスマスケーキって、いろんなタイプがありますよね?
そのひとつひとつに物語があるんですって。

たとえば、今年日本でも人気の、細長いかたちをした”ブッシュ・ド・ノエル”。


ロールケーキをもとに作られる、丸太のカタチをしているこのケーキの歴史をひもとくと、古代メソポタミア時代にさかのぼることになります。夜が最も長くなる冬至の時期、古代メソポタミアでは、怪物を追い払うために丸太を燃したといわれています。この”ユールの丸太”と呼ばれる風習は、100年ほど前までヨーロッパ各地で受けつがれていて。19世紀のパリでは家庭の暖炉でクリスマスの薪を燃やしていました。1870年代にパリのパティシエが、この光景をモデルに作り出したケーキが「ブッシュ・ド・ノエル」なのだとか。ロールケーキにクリームをぬって、刷毛で樹木のような筋をつけ、クリスマスの森を再現しているそうです。

と、いう話しをしつつ、クリスマスケーキを訪ねる旅に出発!


☆ドイツ東部・ドレスデン生まれの シュトーレン。宮殿や古いお城、オペラハウスなどが建ち並ぶ華麗なバロック建築の街並み。“マイセン”発祥の地としても、知られているところです。ここが、ドイツのクリスマスケーキ”シュトーレン”のふるさと。


細長くて、バケットのようなカタチのシュトーレンは、発酵させたパン生地に、たっぷりお酒につけこんだドライフルーツとナッツ、スパイスなどを練り込んで焼き上げ、上から粉砂糖をふりかけできあがります。切り口は楕円形で、真ん中がちょっと盛り上がったカタチ。一説によると、シュトーレンはイエス・キリストが生まれた時の“おくるみ”をかたどっているとか。

ドレスデンでは、毎年12月のはじめに、”シュトーレン・フェスト”というお祭りが開かれます。今年も3千キログラム(3トン!)の巨大なシュトーレンをつくって、7万人の観光客と町の皆さんで試食したそうですよ。正式には、この”シュトーレンフェスト”が、ドイツのクリスマスケーキ”シュトーレン”の解禁日。ドイツの家庭では、シュトーレンを一切れずつカットして食べながらクリスマスを待つのが、12月の風物詩だそうです。日ごとにお酒がしみ込んで、味が濃厚になっていきます♪

実は、ドイツには、有名なクリスマスケーキがもうひとつあって、”ヘクセンハウス”というお菓子の家。はちみつやスパイスの入ったクッキーを、マジパンやチョコレートなどを使って、家の形に組み立てたものです。「ヘクセンハウス」はドイツ語で“魔女の家”という意味。グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』に登場する、魔女のお菓子の家がその由来だとか。 



☆ イタリアの伝統のクリスマスケーキというと、”パネトーネ”です。パネトーネは、ドーム型の焼き菓子。表面はこんがり、中はしっとり、たくさんのドライフルーツが入っているものが定番。


パネトーネは、イタリアの自然酵母を使用して作られますこの酵母は、北イタリアのコモ湖周辺で培養される種類なんですって。なぜか他の地域ではこの酵母の培養は難しいそうです。生まれたての子牛が初めてのミルクを飲んだ、その腸でつくられる菌を小麦粉と混ぜ合わせて作られる特殊な酵母です。

パネトーネの起源には、諸々(もろもろ)の説があるのですが..こんな“恋物語”が有力となっています。昔、ミラノに<トーニ>という貧しい青年がいて、パン屋の娘に恋に落ちます。しかし、彼女の父親は二人の結婚に大反対。そこでトーニは思ったのです。「おいしいパンを作って、お父さんに認めてもらおう!」と。トーニはパン職人に弟子入り、、、そして何度も失敗を重ねたある日、とうとう、奇跡のようにおいしいパンを作り出したのです。カタチは、教会の天井のキューポラに似せたかわいらしい形。トーニのパンは、瞬く間にミラノの町で、評判となり、それを知った娘の父親は、とうとう二人の結婚を許したのです。このトーニのパンを、ミラノの人たちが"トーニのパン”Pan di Toni"と呼んで、それがパントーネ(Panettone)という名前に変化した、とか。イタリアの伝統のクリスマスケーキには、愛がたっぷり練り込まれている、というわけですね


☆ポルトガルのクリスマスケーキ“ボーロ・レイ”です。


ボーロ」は“ケーキ”で、「レイ」は“王様”という意味。まあるいカタチのパン生地のケーキで、表面には、赤や緑のカラフルなゼリーやドライフルーツのトッピングが鮮やかです。ボーロ・レイには、“乾燥空豆”が入っているのが伝統とか。切り分けたケーキにそら豆が入っていた人は、来年のクリスマスにみんなにボーロ・レイを、ごちそうする決まり。だそうです。


☆ 幸運のコインを入れる風習といえば..イギリスのクリスマスプディング。当たった人は、その年に幸せになれるというジンクスです。



* ウォーカー社の リッチフルーツプディングです

プディングと言っても、日本で言うプリンとはちがって、生パン粉と小麦粉、牛脂、卵、それに、ドライフルーツやナッツ、香辛料、ブランデーやラム酒などなどの材料を混ぜ合わせて、一晩寝かせてから、型に流し込み、蒸してできあがりです。

クリスマスプディングは、その家の家族全員で混ぜ合わせるのが伝統です。このとき必ず時計回りに廻す、というのも伝統だとか。最近は、クリスマスプディングをお店で買って来るおうちも増えたようですが。もともとは、各家庭秘伝のレシピがあって、厳格な家庭では、今でもかなりのこだわりがあるのだとか..「日本のお雑煮のようなものかも?(by水谷ユミ)」

クリスマスケーキには、その土地やおうちの歴史がギュッとこめられているんですね。さて、今年はどんなケーキにしましょうか?

(by Haruko.M)

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