11/08/2008

タイランド”スコータイ”~ 11月の満月と水のお祭り

今日のデスティネーションは、
“プラテート・タイ(Prathet Thai)“=タイ王国です。

11月の今、タイでは長い雨期がおわって、いよいよベストシーズンを迎えているんです。

そんな11月のタイでは、毎年、満月にあわせて、全国各地の水辺で“ロイ・クラトン”という、お祭りが行われます。この”ロイ・クラトン”でのメインイベントは、“クラトン”と呼ばれる器に、ろうそくをのせて水に流すセレモニーです。*“ロイ”は、“浮かべる“という意味です。


“ロイ・クラトン”は、かつての“スコータイ王国”ではじまったといわれるタイの国民的伝統行事です。
スコータイ王国とは、現在のタイ北部の都市“スコータイ“を中心に、13世紀から14世紀にかけて栄えた王国です。そこは、ほほえみの国タイの人達の、「心のふるさと」といわれる町です。今週は、その”スコータイ”へと向かいました。

ここには今も スコータイ王国の遺跡がのこっています。総面積70平方キロメートルの広ーい遺跡公園です。長い間ジャングルの中で眠っていた大小200以上の遺跡が修復されて、かつての王国を復元したそうです。公園内には、城壁に囲まれた場所と、城壁外に5つのエリアがあります。公園の中心には、“ラムカムヘーン王“の銅像があります。スコータイ王国を大繁栄させたといわれる3代目の王様です。タイ文字も、この王が考案したとかラムカムヘーン王の銅像は、右手で経典をもって、左手でなにか教えを説いているようなポーズです。このラムカムヘーン王は、仏教を広めることにも尽力したといわれています。

そのためでしょうか、スコータイ歴史公園の城壁の中だけでも、35の建物があって、そのほとんどが寺院です。

王の銅像の近くにある“ワット・マハタート”は、スコータイで最も重要な寺院といわれています。ハスのつぼみをかたどった“チェディ”という仏塔の前で、青空の下、巨大な仏像が座って..頬笑んでいらっしゃる♪

城壁の外にも、たくさんの寺院があります。公園北西の森の中にある”ワット・シー・チュム”には、ラムカムヘーン王が作った高さ13メートルの仏像が、指先を大地にむけています..大地に悪魔が吸い込まれたことを意味する姿とか。近づいて見上げると..視線が合うんです。やっぱり頬笑んでいらっしゃる♪ 



*この仏像の後ろの部屋には隠し部屋があって、王はそこから人々に神託を下した..なんていう噂も。

タイの古い書物に、こんな一説があるそうです。「月のきれいな夜、スコータイ王国の王妃ナーンが、王のために蓮の花のカタチをした器“クラトン”つくって、水に浮かべた。王はたいそうよろこんで、それを11月の満月の夜の祭りにした」..と。

スコータイ王国が蘇る“スコータイ歴史公園”では、11月の満月に合わせて 今年も“ロイ・クラトン祭り”が行われます。毎年30万人を超える人々がタイ全土から集まるそうです。



*2008年のスコータイ・ロイクラトン祭りは、11月10日~12日。


昼間は、ワット・マハタート前の広場で、イベントやパレードが行われ、日が暮れる頃、公園内の遺跡がライトアップされます。やがて夜になると..あでやかなタイの伝統衣装を身につけた女性たちが、”クラトン”を公園の池に浮かべます。”クラトン”は、古い書物にあるとおり、蓮の花のかたちをしています。バナナの葉っぱで作られているそうです。ロウソクと線香、それに花をクラトンの中に飾り、炎をともして、水に流します。水面には、ライトアップされたたくさんの遺跡が映しだされて、クラトンといっしょ
に揺れています。 


このロイクラトンは、タイ各地で行われるのですが、流す前には願い事をするそうです。そして クラトンのろうそくの火がいつまでも消えなければ、願い事がかなうと信じられています。

頬笑みの国タイランドの”心のふるさと”といわれる「スコータイ」。
タイの言葉で“幸福の夜明け”という意味なんですって。

「写真提供:タイ国政府観光庁」

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