11/22/2008

エルドラドへの旅 ~ コロンビア

今日のデスティネーションは、世界中の探検家が、エルドラド
=黄金郷をさがしに訪ねたという地、南米コロンビア”です。

15世紀頃、当時インディオたちが暮すその場所に、ヨーロッパから探 検家がやってきました。そこで彼らが見た光景は...「全身に金粉を塗りつけたインディオの首長が、”黄金の筏”に、黄金の貢ぎ物をうずたかくつみ、湖をすすみ..祈りながら、黄金を次々に湖に投げ入れた。やがて王は湖に入り、金粉を洗い落とし、湖は黄金色に輝いた」・・と、いうもの。これが、エルドラド伝説のはじまりといわれています。


そして、この黄金のありかを探して、多くの探検家がたどりついたのが、現在のコロンビアの首都ボゴタあたりだったとか..。
  
かつてヨーロッパからの探検家は、8ヶ月くらいかかったといいますが、現在の日本からだと、乗りつぎ時間を含めても20時間くらいです。空港の名前は、“エルドラド国際空港”。最近改装されて、キレイになったそうです。空港内には、インディオの装飾品なども飾られていて、着いたとたんに異国情緒たっぷりです。

人口700万人の首都ボゴタは、“プリマベイラ・エテルナ“=常春の街と呼ばれています。標高2600メートルという高地に位置しているために平均気温は、15度~20度だからです。

              【プラソレタ・デ・ロサリオ】



               【サンフランシスコ教会】

街の中心の、Museo del Oro“黄金博物館”へ行ってみると..そこには、古代コンロンビアで作られた黄金の装飾品や工芸品の数々。 多くは略奪されてしまったそうですが、ここには幸運にも残った貴重な古代の金細工が展示されています。黄金博物館はコロンビア国立銀行の建物で、3階は大金庫室。またの名を“黄金の部屋”といいます。まぶしいほどの黄金に囲まれて“エルドラド”にいる気分に..黄金博物館は、2005年に大改装をおえて、展示品を大幅に減らし2万点(!)にしたそうです。もちろん全部、黄金。2階は地域毎に分けられた展示になっています。装飾品、仮面..動物や昆虫、人間をかたどった古代の細工が見事です。中には、飛行機のようなカタチをした純金細工もあります。「黄金ジェット」と呼ばれるちょっと有名なもの。コロンビア北部のシヌー地方から複数出土したもので。幅5センチ、高さ1センチくらい。これが作られた時代は、紀元前500年~800年頃と推定されています。この黄金ジェットは、「古代コロンビアには飛行機を使う人々がいた証拠だ」と、多くの学者が主張しているとか..



さて、エルドラド伝説の発端となった、インディオの首長が黄金の筏で渡ったという湖は、コロンビアのシパキラにある湖ではにないかと、噂されています。

シパキラは、ボゴタから北へ車で1時間ほど。町の中心の市場が栄える コロニアル風の町なみです。町の郊外には、岩塩でできた巨大な”塩の山”があります。かつての岩塩鉱山につくった洞窟の奥に、”塩の教会”へと向かいました。外からみると、直径3mほどの入口だけ。その先が洞窟です。ゆるい下り坂を地下180メートルまでおりたら、そこは広い教会です。一度に数千人が収容できるという巨大な”岩塩”の教会。礼拝堂や塩の彫像、長椅子も、全部塩でできています。両脇には、直径10mほどの”塩の柱”。白い大きな十字架は、地下にある十字架では世界一大きなものだそうです。

ここシパキラの塩の埋蔵量は、「世界中の人々の、1世紀分」あるのだとか。そしてこの大量の”塩”こそが、エルドラド伝説を解く鍵なのかもしれないと、いわれているんです。

このあたりに暮らしていた インディオ“チブチャ族”は、はるか昔からこの塩を採掘して、繁栄していました。彼らは塩をもとでに、穀物や黄金を思いのままに手に入れていたといわれています。そして当時、このチプチャ族の首長が毎年1回、神に感謝するために全身に金粉を塗って、湖に飛び込む儀式がたしかにあったらしいのです。

もともと”エルドラド”という言葉は”黄金の人”という意味で、これは、この”黄金の筏”に乗ったインディオの首長をあらわしていた言葉だったのではないかと、いわれています。でも、当時の人たちにとって、もっとも重要だったのは黄金ではなく生きるために必要な“塩”だったはず。本当の財宝は、黄金ではなくて”塩”だったのかもしれないのに..

インディオの首長が黄金の筏をうかべたという“グァタビタ湖”は、シパキラの山の中に、あります。そしてかつて、スペインの研究者たちがこの湖の水を抜いて調べたら、たしかに多くの黄金が見つかったのだとか。

エルドラド伝説発祥の湖の前で、すこしふわりとした気分になるのは、標高の高さだけが原因ではないのかもしれません。


取材協力:株式会社エスメラルダ


by Haruko.M

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