11/15/2008

フランス・ボーヌ  ~ ブルゴーニュワインの祭典”Les Trois

今日のデスティネーションは、フランス・ブルゴーニュです。
「それって、ワイン?」と、思った方、正解です♪
ブルゴーニュ地方ボーヌで、11月第3土曜日から開かれる、
フランス最大級のワインのお祭りを訪ねました。

ワイン造りにうってつけの土壌や気候に恵まれた“神に選ばれた土地“、とも呼ばれるブルゴーニュ地方は、フランスの中央やや北東側にあります。あのロマネコンティも、ボジョレーも、ブルゴーニュ産ですよ。そこは、ワインへの熱い情熱の歴史を持つ場所でもあるんです。

ブルゴーニュワインに注がれる情熱が集約したような3日間が、11月第三土曜日からはじまります。「Les Trois Glorieuses=栄光の3日間」と呼ばれる ワインのお祭りです。その中心となるブルゴーニュ地方の北側コート・ドール県ボーヌにある町へを訪ねました。

コート・ドールは“黄金の丘”という意味のフランス語。ボーヌの町のまわりの丘には、広々としたい葡萄畑が広がっています。秋の終わりのこの時期は、一番美しい季節といわれ、ちょうどブドウの丘全体が紅葉の季節を迎えています。まさに“黄金の丘“です。

ひときわ広くて豊かなワイン畑は、クロ・ド・ヴージョといいます。クロは、周囲を壁で保護した葡萄畑のこと。見渡す限り広大な畑の横には、石垣がつづいています。ここの石壁の石は、葡萄畑にある石を拾い集めて、築かれているそうです。12世紀のはじめ、最初にこの畑に葡萄の樹を植えたのは、修道士たち。中世、この地帯は大修道院の敷地だったのです。たくさんの修道士たちが「オラーレ・エ・ラボラーレ(祈れ!働け!)」 を合言葉に、祈りをこめて、毎日ワイン作りを続けていたとか。

シャトー・クロ・ド・ヴージョと呼ばれる建物も、かつての修道院の迎賓館だったそうです。ここは今、「コンフレリ・レ・シェヴァリエ・デュ・タストヴァン」=“利き酒騎士団”の本拠地となっています。この騎士団は、1930年代始めの大恐慌の時代、ワインが売れなくなった時、有志が集まってワインの品質を守るために結成されたそうです。

ここシャトー・クロ・ド・ヴージョで、今年の「騎士団入団式」が行われ、いよいよブルゴーニュワインのお祭り“栄光の3日間”の開幕となります。

騎士団の入団式がおこなわれる頃には、ボーヌの街では、もうお祭りさわぎがはじまっています。町中がワインの匂い♪




円いかたちをしているボーヌ(Beaune)の町は、そんなに広くはありません。徒歩で町中を巡ることもできます。石畳がつづく町には、中世の城壁がのこっていて、ゴシックやルネサンスの古い建物も 並んでいます。町には“ブルゴーニュワイン博物館“もあります。建物はワイン好きだった15世紀のブルゴーニュ大公の当時の居城なんですって。

栄光の3日間の2日目、日曜日には、ボーヌ市内の “オテル・デュー(Hotel diew)”を会場に“ワイン・オークション“が行われます。オテル・デューは、神の館という意味。 15世紀、百年戦争の直後にたてられた病院で、貧しくて治療を受けられない人のために作られたそうです。ここでの治療費は無料。運営は、ワインを作ることで、すべてまかなわれます。1971年以降は、近代的な建物にうつって病院の運営が続けられています。

ここでのオークションは、少しかわった方法で、、、
今年収穫されたぶどうで作られた新酒が、まだ樽の中で熟成中にもかかわらず、オークションにかけられる、というものなんです。落札後は、自分のところで熟成して、瓶詰めすることになります。ちなみにこのオークションには、誰でも参加することができるんですって。そしてオークションの前に行われる 試飲会にも、参加できるそうです。もちろん参加させていただきます♪♪ボーヌのワインセラーでは、普段でも入場料を払えば、カーヴで試飲が楽しめるのですが、栄光の3日間の期間中は特別です。ふだん渡される試飲用の小さな器とは違って、ワイングラス”を渡してくれるのです。




地下のカーヴへいくと、ソムリエたちが待ち構えていて、ワインをグラスに 注いでくれるますよ。奥にいくほど高級ワインがあるので、欲張るためには、配分が必要とのことデス


フランス最大級のワインのお祭り“栄光の3日間”の最終日は..
シャトー・ド・ムルソーで大昼食会。800人ほどが参加するテーブルには、世界の美食家を唸らす食の
数々..これが、6時間位かけてサーブされるんですって。会場では、ワイン生産者のみなさんが、自らのワインを振る舞ってくれます。目を疑うような高級ワインも、次々に振る舞われるとか。この昼食会は、ワイン収穫の季節に、生産者と従業員、その家族、それに友達みんなでテーブルを囲んだという、ブルゴーニュの伝統に基づいているそうです。

町なかに戻れば、屋台にもおいしいワインがいっぱいです。ブルゴーニュの 葡萄の葉っぱを食べて育ったエスカルゴが、またワインに合うんですよね~ Bon appetit!

この”栄光の3日間”の収益金は、Hotel diewの運営資金となるそうです。おいしいワインを飲んで食べて思いきり楽しんで、そして社会に貢献..至福の3日間です。


<写真提供:フランス料理店 麹町「筵(えん)」

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