今、トルコは、“ラマザン”の期間中。
“灼熱”という意味の“ラマザン”は、
イスラム暦で“第9番目の月“の名前です。
今年は、8月21日~9月18日。
※ 宗教の自由が認められているトルコですが、
現在大多数がイスラム教徒とのことです。
ラマザンの断食をするかどうかは、個人の自由。
「食べたり、飲んだり、水も飲まない..
本来は、自分のつばものみこんではいけない」..
なんて聞くと、ちょっとツラそうですが..
みんなで一緒に空腹の苦しさを味わって連帯感を得て、
そして貧しい人の立場を理解して、
食物の大切さを知るためと聞きました。
このラマザンの断食は、太陽がのぼっている間のこと
(・・って知ってましたか?)
つまり、日が沈んだ後は、食べてもいいんです。
だから、
ラマザンのトルコの夜は、いつもよりずっとにぎやか♪
みんな宵っ張りで、食べて、うたって、踊って..
なんだかとっても楽しそうです。
八千年の歴史をもつ都、イスタンブール。
街を歩くと、とにかく“モスク”が目につきます。
その数およそ500。
特によく知られているのが
”スルタン・アフメット・モスク”
別名ブルーモスクです。
スルタン・アフメット一世が 1616年につくったもの。
信者でなくても、お祈りの時間をのぞけば、
モスクの中へ観光客も入ることができます
高い高い天井、壁一面にトルコブルーのタイルが2万枚。
ドームを支える4本の柱は、直径5メートル。
この柱は”象の足”ともよばれています。
夕暮れ時が最も美しいといわれる
スルタンアフメットモスク。
ラマザンの夜は、ライトアップされます。
日暮れ時のブルーモスクは、
どんどんにぎやかになっていくんです。
モスクの横には、ラマザンの夕食”イフタール”をふるまう”
テント”が立ち並びます。
ここでの 食べ物はみんな無料なんですね。
バンド演奏が入るテントもあります。
たくさんの人がここに集まってきて、夜更けまで食べたり、
歌ったり、 踊ったり。お酒は飲まないけど、ごキゲンです。
ラマザンの期間中イスタンブールの街なかでは、
平日午後5時頃から交通渋滞がおこります。
日没と同時にゆるされる食事のために、
みんないそいで帰るからなんですって。
ラマザンの夕食は、”イフタール”といって特別なもの。
豪華です♪ナツメヤシなどのドライフルーツや、
たくさんの種類のスープ、”スジュック”という
サラミのようなものや、ふだんは食べない肉類も
食卓にならんだり、
チーズや、ターヒン(練りゴマのようなもの)、ドルマ・・
ラマザン限定のスイーツもあります。
”ギュルラッチ”といって、春巻
きの皮のようなものをミルクに浸してつくる
優しい甘さのスイーツです。
ラマザン限定のパンもあります。
ふんわりとした大きな”ラマザンピデ、美味しそうです。
街のパン屋さんの店先には
「おなかいっぱいになりますよ」という宣伝文句も。
ラマザンの断食をしている人は、
日没直後に イフタールをたっぷり食べて、
そしてもう一回、夜明け前にまた食べるんです。
夜明け前の食事を ”サフル”といいます。
日の出時間が近づくと、旧市街に太鼓の音が響きます。
太鼓をならしながら、トルコ民謡を唱いながら、街を歩きます。田舎では、一軒一軒まわって、家のあかりがつくまで 太鼓を叩き続けるところもあるとか。これは、「もうすぐ日がのぼります さあ、みんなサフルを食べましょう!」という合図なんですって。
ラマザンがおわると、
そのあとの3日間は、盛大なお祭り。国民の祝日。
「ラマザン・バイラム」、
「シェケルバイラム=砂糖祭り」とも呼ばれています。
子ども達が近所の家をまわって、
キャンディやチョコレートなどの甘いお菓子をもらいます。
ハロウィンみたいですが、仮装はしません。
おどかしもしないし、かわりにお年寄りの手にキスをします
大人も、親戚や近所の人、友だちの家、
仕事の同僚の家を訪問しあいます。
手みやげは、甘いお菓子というのが伝統。
お正月と、お盆と、ハロウィンとクリスマスが一緒にやってくる。そ
んな3日間となります。
ラマザンは”仲直りする月”とも呼ばれているそうです。
ラマザンのひと月間に、仲直りをする人が多いからなんですって。
みんなで一緒に、「断食がんばってるよね」‥
っていう仲間意識がはたらいて、喧嘩したことが、
小さいことに思えてくるんですって。
一年分のけんかをこの時期に水にながしてラマザンバイラムの3日間には、お互いの家をたずねてお祝いを言い合い、キスをしあって、すっかり元通りに。..こんなケースが、多いそうです。
by Haruko M
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