4/28/2007

4月28日OA:Vienna in Waltz

クラシックでありながら、アヴァンギャルド。ハプスブルク家の栄華とともにヨーロッパ文化の中心地として栄え、世紀末にはセセッション=分離派がアートの新たな扉を開けたウィーンは、21世紀のいまも「芸術の都」としての風格が漂っています。ワルツを踊るように、ウィーンをさまよってみよう!

【ハプスブルク家】
18世紀、王家の絶頂期を築き上げた女帝:マリア・テレジアがいなかったら、ウィーンはまったく違う町になっていたかもしれません。芸術をこよなく愛した彼女は、当時建設途中だったシェーンブルク宮殿を完成させ、オーストリアの文化的中心をウィーンに移したことで知られています。「テレジア・イエロー」と呼ばれる外壁の中には、神童と呼ばれたモーツァルトがその才能を世界に発揮した大広間・・・マリー・アントワネットが幼少時代をすごした部屋・・・見事な天井画が美しい大ギャラリー・・・いまにも、貴族たちの衣擦れの音が聞こえてきそう!

【ユーゲントシュティール】
19世紀末、世紀の変わり目に登場した芸術運動:ユーゲントシュティールは、写実主義にみられた伝統や形式を否定し、芸術家の自由な発想を重視する運動。フランスでは「アールヌーヴォー」とも呼ばれていました。当時を代表する建築家:オットー・ワーグナーが手がけたカールスプラッツ駅は、いまも現役で活躍中。「黄金のキャベツ」という異名をもつ、セセッション館のドーム型オブジェも、煌びやかな金細工の中にオーガニックなモチーフが!植物や動物など、自然をモチーフにしたデコラティヴな曲線美は、来るモダニズムの到来を予見していたかのようです。

【フンデルトヴァッサー】
オーストリアのガウディと呼ばれた芸術家。「アヴァンギャルド」という言葉の意味を、これほど忠実に・素直に表現したアーティストは、後にも先にも彼だけでしょう。
ウィーン郊外にある市営住宅:フンデルトヴァッサー・ハウスは、奇抜なアート作品に見慣れた現代人の目にもいまだに新鮮!窓枠や廊下は、手描きのドローイングのように曲がりくねり、赤・白・青・オレンジのビビッドなペインティングがほどこされ、コンクリートの壁からは樹木がニョキニョキ・・・子供の落書きのような物体がリアリティとして具現化され、しかもちゃんと「居住」としての役割も果たしていることに驚かされます。マリア・テレジアが生きていたら、何て言ったでしょうね(^o^)

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