4/11/2009

<美食家たちの羨望の地 スペイン・カタルーニャ地方>

今日のデスティネーションは、スペイン・カタルーニャ地方です。

バルセロナを中心とするスペイン北東部のカタルーニャ地方。
今なら、美味しい“カルソット”に間に合う季節です。
カルソットは、日本でいう“長ネギ”のこと。
京ネギよりやや太めのカタルーニャ特産の野菜です。
2月から今頃までだけ味わえる期間限定の味覚です。
この時期には、仲良し同士で集まってカルソットを楽しむ
“カルソターダ”という会もあちこちで行われます。




味わい方は..
豪快に炭火で焼くんですね。だから会場は屋外が恒例。
“カルソット”は泥がついたままものを使うのが一般的です。
土から抜きたてのものなんですって。

1) 軽くドロを落とし、一本のまま炭火の上の網に置かれます。みるみるうちに、真っ黒に焦げます!

2) 参加者はみんなエプロン姿で、網からおろしたカルソットを手にとって、こげた部分だけをとりのぞいて、あつあつの白い部分を取り出します。

3) この熱々に、ソースをつけて、長いまま食べます(切らずに一本食いデス)顔を空にむけて食べるのがお約束!じわっと甘みが口いっぱいに広がって、美味♪なんですネ

4) ソースはこれがまたカタルーニャ伝統のものなんですって。外見は、とんかつソースとサウザンアイランドソースの中間位でししょうか。味はアーモンド風味(?)..ともかくこれが、長ネギの甘さと絶妙のコンビネーションなんです。


素材の才能をいかんなく引き出す、カタルーニャならではの味。
おいしくって、楽しくって、生きているのがうれしくなる
“カルソターダ”です。

さてカタルーニャは、
人間の素材の才能も引き出してしまうようです。
古くからこのあたりは、”天才を生む風土”といわれています。
建築家のガウディや画家のミロやダリ、
そしてピカソが才能を開花させたのもカタルーニャだったとか。

そして21世紀の今、”現代の天才”と絶賛されている人がいます。
世界一予約がとりにくい といわれる三ツ星レストラン
”エルブジ”のシェフ”フェラン・アドリア ”さん。


エルブジ”は、バルセロナから160kmほど離れた
小さな町にあるレストランです。

バルセロナ出身のオーナーに才能を見いだされたときは
22歳だったというこの天才シェフは..
スペイン古来の手法にヒントを得て、
奇跡のような料理を生み出すと、いわれています。

たとえばカタルーニャ名物「パンコントマテ」
”パンとトマト”という意味のカタルーニャで
最もポピュラーなタパスで、
トマトとニンニクをすりつぶしたものを、
オリーブオイルとあわせてパンにこすりつけただけの、
シンプルかつ美味なもの。

ちょっと小腹が空いたときに、みんな食べてます。

この”パンコントマテ”が、現代の天才の手にかかると、
小さなグラスの中に収めら、
緑トマトから作った真っ白なソルベの上に、
薄ーいパンビスケットがのせられている..
というものとなってあらわれます。

これを口に含むと、パリンと繊細に崩れるパンの中から、
ニンニクの香りと温かなオリーヴオイルが絶妙なタイミングで..!!
という 世にもステキなことになっちゃうんだとか。

世界中の美食家を魅了してやまない 現代の天才のレストラン”
エルブジ”の営業期間は半年のみ、なんですって。

今年は、6月16日から開店するとか..
営業していない半年間は、
来シーズンのために料理の研究をしているそうです。

そして今カタルーニャには、この天才シェフに触発されて、
次々と独創性あふれるレストランが 登場しています。
カタルーニャの豊かな素材と、
伝統と天才を生みつづけてきてカタルーニャの風土がまた、
たくさんの才能を花開かせているそうですよ。

<取材協力;カタルーニャ州政府貿易振興会COPCA

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